ライラック モクセイ科
札幌市のシンボルの木がライラックになったのは、1960年(昭和35年)のことで、人口が50万を超したことを契機に、市民投票によって選定されたのですが、ニセアカシアとの差は僅差だったそうです。ちなみに花はスズラン、鳥はカッコウになっています。
その前年に第1回のライラックまつりが大通公園で行われているように、札幌市民にとっては、ライラックはよほど身近な存在だったことが窺われます。
札幌のライラックは、北星学園の創設者であるサラ・クララ・スミス女史が、アメリカからもたらしたものがその起源であるといわれます。北大植物園にある最古のライラックも、スミス女史から分けていただいた株であるとされていますが、気候が適している札幌の町には、たちまち広まっていったものと考えられます。
歌人の吉井勇は、1955年(昭和30年)に札幌を訪れ、「北遊小吟」5首(右写真:吉井勇の歌碑)を残していますが、その中の『家ごとに リラの花咲き札幌の 人は楽しく生きてあるらし』は、札幌市民にはよく知られている歌でしょう。4丁目にはその歌碑が1981年(昭和56年)に建てられています。
大通公園にはたくさんのライラックが植えられていますが、回りのビルが高層化するにつれ、以前に比べて日当たりが著しく悪くなってきており、日当たりを好むライラックには厳しい環境になってきました。隣接する創成川公園には、30品種200本のライラックが植えられているので、大通のライラックと共に、ライラックウォークを楽しむことができます。創成川公園に植えられているライラックは、こちらからご覧いただけます。